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日曜日の夕方、駅で浴衣姿が目立った。どこかで花火大会でもあるのかしら、と思いながら帰宅してテレビをつけたら、ちょうど横浜の花火大会が始まるというニュースが流れていた。やはり、そうか。

最近は、浴衣姿を見るのは花火大会のときくらいだ。夏になると、子どもをはじめ大人までもが、浴衣姿で夕涼みという光景が日常的だったのだが。
夏の普段着からよそ行きのものになってしまったかのようだ。確かに、生活形態が変わり、縁側や縁台での夕涼みさえ珍しくなった。浴衣を着る機会が減ったのもやむを得ないのだろう。

そんな中で、どっこい花火は衰えを知らない。原色の光が花になり星になり夜空を彩る。減りゆく浴衣姿をとどめる力さえ持っている。桜が好きな日本人は、花火も好きなのだ。ぱっと咲いてぱっと散る、その潔さが好まれるのだとか。そして、潔さは時に残酷さをも強いる。切腹、潔く腹を切る、というあれだ。だが、命より大切な潔さというものがあるのだろうか。

ともあれ、お盆過ぎまで各地で夏の花火大会が開かれ、多くの人が瞬間の美を楽しむ。浴衣を着ようが、Gパン姿だろうが、その美しさは変わらない。今夏は、めんどうなことをつかの間でも忘れて、花火を楽しむことにしよう。(S)