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薄茶色のサクラの木がピンク、そして緑へと一気に変わる4月。新年度の始まりは、生徒や学生に限らず新たなスタートを切る人が多い季節だ。ACCの各講座も、新しい受講者を迎えてやや華やいだ雰囲気になる。

寺島靖国さんが講師を務めて3年目になる「ジャズ超入門」のクラスも、4月期の第1回講座には、継続受講者に混じって新しい受講者の顔がいくつもあった。1回目の講座の時に、寺島さんはいつも受講者に簡単な自己紹介をしてもらう。

「わたしは今春、会社の仕事からいっさい手を引くことになりました。そしたら、妻がさっそく自衛策をとったのです。私の前に朝日カルチャーセンターの総合カタログを置いて言いました。『この中から適当な講座を選んで通いなさい』って。言われるままカタログを調べて、囲碁と男の料理を選んだんですよ。それなのに妻は『それでは足りない』と言います。そこで、もうひとつ選んだのが、この講座でした」と高齢男性が挨拶。教室は温かな笑いに包まれた。

ACCで男性受講者が目立つようになってきた理由のひとつは、こんなところにもありそうだ。「妻の自衛策」という言葉は、自己紹介のための言葉の綾だろうが、会社人間だった夫が大量に家庭へ帰る団塊世代夫婦の現状の一端を示してもいるようだ。

そんな時代だからこそ、この男性のように会社人間の鎧を外したACC1年生が、「妻の自衛策」を忘れるくらい自分が選んだ講座を楽しんでもらいたい。(S)