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029.jpg 花が散り、うす緑の葉が日に日に濃さを増して春本番。ゴールデンウイークが終われば、間もなく梅雨の季節。だからこそ、つかの間のさわやかな時を、思う存分楽しみたい。

そうはいっても、花を散らす雨や風のように、私たちのまわりでも想定外のことがたくさん起こる。 先日も通勤途中のこと。渋谷から乗り込んだ山手線が、私の目的地の新宿駅に着き、スピードを緩めて止まった。降りるためドアのほうに近付く人の流れに乗って足を1歩進めたが、それ以上は進めない。ドアが開かないのだ。電車に近付いてきたホームの人が不思議そうな顔をしているのが見えた。きっと、こちらも同じような表情だったことだろう。

 最初は、すぐに開くだろうと思っていたが、なかなか開かない。私を含めて羊のような日本人は、それでもおとなしい。5~6分たってようやく車内放送が。高田馬場駅付近で異常な音を感じたので電車を止めて点検しており、そのために山手線が止まったということだった。

そんなアナウンスが3~4回。ドアは開かない。ホームは目の前。なぜ、ドアを開けて客を降ろせないのか。いつまでたっても、その説明はない。着いているのになぜ降ろさないのか、しだいに不満が募ってくる。12分くらいたって、事態はやっと進展した。「これから電車を新宿駅まで運行します」とのアナウンス。合点がいった。電車は全ての車両がホームに入りきっていなかったのだ。アナウンスのいう「運行」とはわずか5メートルくらいでしかなかった。

 安全規定など、JRにはいろいろな基準があるのだろう。しかし、である。わずか5メートルのために人々を10分以上も足止めにするなんて、民間会社の発想がまだまだできていないのではないか。ホームにかかっている車両のドアだけ開けて、乗客を降ろすことができたのではないか。それはともかく、車内放送くらい乗客の立場に立ってできないものか。車掌は最後尾にいたのだろう。だから、ホームに着いていない。しかし、多くの乗客は目の前にホームがある状態だった。それに気付けば「全車両がホームに到着していないため、ドアをあけられない」という説明くらいはできたはずなのに。

他人のことを思いやって行動するのは難しい。(T)